問題を解いてみよう
過去に実際に出題された問題(一部)と解答・解説を掲載しています。
必要とされる資質
上司の帰社予定が変わったときは
秘書Aが朝出社すると,今日の昼ごろ出張から戻る予定の上司(部長)から,「飛行機の欠航で帰社が夕方になる」と電話があった。上司は今日,午後2時から部長会議,夜は業界団体の会合に出席の予定になっている。次は,このときAが行った対処の仕方である。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)部長会議の担当部長の秘書に連絡し,事情を話して上司は欠席するのでよろしくと伝えた。
2)業界団体の会合には出席できそうなので,事務局に電話して,出張から帰ってすぐ出席すると伝えておいた。
3)不意に訪れた上司の友人に,上司は夕方に戻るがその後に予定が入っている,と事情を話して出直してくれるように頼んだ。
4)上司と打ち合わせがしたいと言ってきた上司の部下に,上司の帰社は夕方になり,その後に予定があるがどうするかと尋ねた。
5)上司に相談したいことがあるので今日面談したいという取引先からの電話に,今日は立て込んでいるので難しいと思うと言って承知してもらった。
解答・解説
2 上司の帰社予定が変わったのだから,それに伴って予定に変更が出れば対処が必要となる。業界団体の会合は,夜なので間に合うであろう。遅れたり欠席したりすることになれば連絡するが,予定通りであれば連絡の必要はないので不適当ということである。
職務知識
取引先へのあいさつ回り
秘書Aの上司が取締役に就任することが決まり,取引先にあいさつ回りをすることになった。次はAが上司から,その準備をするように指示されて行ったことである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)新しい役職の名刺を,あいさつ回りに間に合うように急いで手配した。
2)あいさつ回りをする取引先のリストを作り,運転手と相談してスケジュールを作成した。
3)社内の関係者と取引先に,上司のあいさつ回りの順番を連絡した。
4)あいさつに行く取引先についての情報を,担当者から集めて整理し,上司に渡した。
5)あいさつ回りで留守にするときの,業務代行者を上司に確認した。
解答・解説
3 あいさつ回りの順番は,こちらの事情で決めるもの。外部に連絡すれば,こちらの取引状況などの内部事情が分かってしまう。社内の関係者に連絡するのは当然だが,取引先に連絡するなどは不適当ということである。
一般知識
正しい用語の説明
次の用語の説明の中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)「直接税」とは,納税者と税の負担者が同じ,例えば所得税などのことである。
2)「可処分所得」とは,所得税を計算するとき課税対象とならない所得のことである。
3)「累進課税」とは,所得金額が大きくなるほど税率が高くなる課税方式のことである。
4)「確定申告」とは,その年に納めるべき所得税を計算して税務署に報告することである。
5)「源泉徴収」とは,給与などを支払うときその金額から所得税などを天引きすることである。
解答・解説
2 「可処分所得」とは,個人所得から税金や保険料などを差し引いた後の自由に使える所得のことである。
マナー・接遇
顔は覚えていても名前を思い出せない相手には
山田部長秘書A(田中)が自社の製品展示会の受付で来場者を見送っていたところ,その中の一人から,「また部長さんにお会いしたいと伝えてください」と言われた。Aはその人の顔は覚えているが名前を思い出せない。このような場合,Aはどのように対応すればよいか。次の中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)「山田に伝えますので,念のためご連絡先をお教えいただけますか」と言う。
2)「以前頂いたかもしれませんが,よろしければお名刺を頂戴できませんか」と言う。
3)「大変申し訳ございません。お名前を失念してしまいましたのでお教えいただけませんか」と言う。
4)「山田に申し伝えますが,念のためお名前と前回はいつお目に掛かったかお教えいただけますか」と言う。
5)「かしこまりました。改めまして,私,山田の秘書の田中でございます」と言って,自分の名刺を出し相手からも名刺をもらう。
解答・解説
4 顔は覚えていても名前が分からなければ上司に伝えることができない。従って,念のためと言って名前を尋ねるのはよい。が,前回いつ会ったかまで尋ねるのは余計なので不適当ということである。
技能
社交文書で使われる慣用表現
次の「 」内は,社交文書で使われる慣用表現である。中から下の( )内の意味と違っていると思われるものを一つ選びなさい。
1)「他事ながらご休心ください」
(私のことは気に掛けないでもらいたい)
2)「詳細は拝眉の上,申し上げます」
(詳しくはよく考えてから話す)
3)「本来ならば参上すべきところを」
(本当なら訪問しなければならないのに)
4) 「ご笑納くだされば幸甚に存じます」
(受け取ってくれるとありがたい)
5)「もとより浅学非才の身ではございますが」
(もともと大した学識は持ち合わせていないが)
解答・解説
2 「拝眉の上」は,お会いしたときにという意味の慣用表現。よく考えてからという意味ではないので不適当ということである。