アイコン
面接試験について[
準一級
面接試験
合格アドバイス]

3.「普通を超える感じのよさ」合格するためのポイント

 さて,以上で面接試験の概要は理解できたと思いますが,ここでもう少し具体的に,合否の決め手となるチェックポイントをご紹介していきましょう。

 秘書検定は,「ビジネスの場にふさわしいこと」を前提条件としています。しかも準1級は「秘書の専門性」を備えているレベルということですから,
ただ単に「言動が整っている」「特に悪くはないレベルだ」という程度では十分とはいえません。一歩踏み込んだ際立つレベル,つまり普通を越えることが求められます。

 以下に,チェックするポイントをまとめましたので,もう一度あなた自身をふり返り,確認してみてください。

身だしなみ

 身だしなみのよさを感じる要素は,二つあります。まず,服装,髪型などの身なりです。もう一つは,感じのよい動作。
しかし実際には,一つ一つの部分について個別の印象を持つわけではなくて,その人のトータルな雰囲気に対して,よい,悪いという評価が下されます。 ですから,身だしなみは全体の調和を図ることが第一のポイントといえるでしょう。
 動作は後ほど触れますので,ここでは身なりの基準を挙げておきます。

1.髪

長い髪はすっきりとまとめます。

2.靴

スニーカーは論外です。ローヒールは足さばきが雑になるので,
中ヒール(3〜5センチ)がよいでしょう。

3.洋服

基本はスーツです。改まった態度,ふるまいを審査される場に,
セーターなどのカジュアルな服装はふさわしくありません。

4.アクセサリー

あくまでさりげなく。
イヤリングや派手なチェーンなどは好ましくありません。

5.化粧

濃い化粧は避けて,すっきりさわやかな印象に仕上げます。

控室では

面接試験は審査員の前で行われますが,それ以外の場所でのふるまいにも気を遺うことが大切です。
受付,待機(控室)の延長線上に面接があると思ってください。したがって受付では自分から進んであいさつし,受験票も同時に提示するようにしましょう。

「報告」や「状況対応」といったロールプレイングには演技的な要素も含まれますが,演劇をするわけではありませんので自然にふるまうことが大切です。

だれでも試験前は緊張するものです。したがって,緊張せずリラックスして試験に臨むようにというのが助言になりますが,
一方では,適度な緊張感は行動にめりはりを与えます。控室での緊張感を自分のものにしてください。

入室

 係員が面接室のドアを開けてくれますので,「失礼いたします」と明るいあいさつをして入室しましょう。
このあいさつで自分の声の大きさと表情をチェックできます。
入室の三つのポイントをまとめてみました。

1あいさつ

ここでは,明るく生き生きとやや大きめの声であいさつしましょう。
お辞儀(会釈)は,背筋を伸ばし,動作にメリハリを付けましょう。

2歩き方

背筋を伸ばし,視線は正面に,腰から先に出す感じでリズミカルに歩きます。
歩き方にも生き生きした感じが必要です。姿勢やクセは自分では気づきにくいもの。
日ごろから友達同士でチェックしておきましょう。

3着席態度

美しく無駄のない動作で着席します。ふだんから意識して,身につけてください。

課題「あいさつ」

 最初の課題が「あいさつ」です。受験番号と氏名を言うだけですから簡単と思いがちですが,緊張すると声がかすれることがあるので気をつけてください。
 何より大事なのが,明るく生き生きとふるまうことです。審査対象としては「醸し出す雰囲気」「話し方の調子」「言葉遺い」「態度」ですが,そのどれに対しても,「明るく生き生き」はキーワードになります。
 ポイントをまとめてみましょう。

1柔らかな表情

醸し出す雰囲気の基本が柔らかな表情です。明るく落ち着いた表情を指しますが,
友達や家族に向けるようなくだけた感じとは異なりますから,注意してください。

2明るい言い方

はきはきした言い方です。ただし,はきはきしすぎて鋭い調子にならないように。
落ち着いた,柔らかさのある言い方ができればよいでしょう。
また声量は,緊張すると声が出にくいので,注意が必要です。

3すっきりした立ち姿

あいさつは言葉だけでするものではありません。立ち姿も重要な要素です。
背を伸ばし,腕を自然に伸ばして手を体の前で重ね,足はかかとをつけてきれいに立ちます。

課題「報告」

 面接に入る前に与えられた課題を,秘書が上司に話す言葉と態度で報告します。
課題文は50字程度ですので,内容をしっかり理解し,その内容を伝えたいと思う気持ちを持って報告することが大切です。
課題を丸暗記して棒読みの感じにならないように。はっきり発音し,声に張りを持たせてください。
 ポイントは次の二つです。

1.報告の構成を決める

 内容を理解したら,「何が」「どうなったか(どうなっているか)」のように報告の構成を決めます。
分かりやすい報告かどうかは,この点にかかっています。

2. 話し言葉で話す

課題文は書き言葉ですから,報告にはそのままは使えません。話し言葉に置き換えて報告するようにします。
話し方では,特に次の点に注意してください。
・(語尾が)はっきりしない,延びる,力が入る
・調子が改まらない
・声が小さい
・言葉遺いが雑
など。
自分にこのようなクセがないか,友人同士などでチェックしてみてください。

課題「状況対応」

 課題の三つめが「状況対応」です。審査員が示すパネルの指示に従って対応します。
わきまえておきたいのは,この状況対応は「お客様に対する応対」であり,歓迎やおわびの気持ちを表す必要が
あるということです。状況(場面)をイメージすると自然な動作や声になりやすいでしょう。
 ポイントは次のとおりです。

1相手との距離

審査員までの距離は1.5メートルくらいが適当です。

2おじぎ

課題内容によって会釈,普通礼(敬礼),最敬礼の使い分けが必要です。

3表情

明るく,安心感の持てる表情を心掛けます。

4

自分の声は「あいさつ」「報告」で聞いているはずですが,緊張すると適当な大きさかどうか
判断できないものです。少し大きいと,思える程度でちょうどよいでしょう。
もちろん丁寧な言葉遺いも忘れないでください。