問題を解いてみよう
過去に実際に出題された問題(一部)と解答・解説を掲載しています。
必要とされる資質
希望以外の部署に配置された新人への対応
人事課の長谷部修一は新人の中村から,「営業がやりたくて入社したのに人事課に配属された。営業は頑張れば成果が数字に表れるが,人事の仕事はそうではないのでやりがいがない。何とかならないか」と言われた。このような場合,長谷部は中村にどのようなことを言えばよいか。箇条書きで三つ答えなさい。
解答・解説
〔解答例〕
@人事課は社員教育をしたり社員の労働条件を整えたりするのが仕事で,それで会社が成り立っている。数字に表れなくてもやりがいのある仕事だ。
A配属は会社の業務の都合で決まるもので,適性も考えてのことだから新人が不満を言うのはよくない。
Bどのような仕事も将来何かの役に立つ。営業に異動することもあり得るのだから今の仕事を大切にして頑張れ。
〔解 説〕
人事課への配属は本人の適性や業務上の都合などによって会社が決めたことだから,希望は希望として会社の方針に従わないといけない。となれば,与えられた仕事の中でやりがいを見いだして前向きに取り組む以外にないのである。そのことに触れたことが答えになる。
企業実務
赤字の企業の社会的責任とは
経理課の岩井孝之は後輩の松尾から,「企業の社会的責任は,利益を挙げて納税することと株主への配当だと聞いたことがある。しかしわが社は赤字が続いていて,どちらの責任も果たしておらず存在価値があるのだろうか」と尋ねられた。このような場合,岩井は松尾にどのようなことを言えばよいか。箇条書きで三つ答えなさい。
解答・解説
〔解答例〕
@利益を挙げて納税することと株主への配当だけが企業の社会的責任ではない。
A大勢の従業員の雇用を創出すること,取引先への仕事の供給,良質な製品やサービスを消費者に提供するなどのことも企業の社会的責任である。
B従って,赤字続きというだけで企業の存在価値がないということにはならない(企業が存在する限り存在価値はある)。
〔解 説〕
赤字という一面だけで,企業の存在価値に疑問を抱いたのは,企業の社会的責任についての認識が足りない。その認識不足を補う企業の社会的責任と存在価値について触れたことが答えになる。
対人関係
ビジネスマナーはなぜ必要なのか
人事課の柳沢綾香は,新人研修でビジネスマナーの指導を担当することになった。指導は演習が中心になるが,その前に「なぜ,ビジネスマナーは必要なのか」を話すことにした。このような場合柳沢は,どのようなことを言えばよいか。箇条書きで三つ答えなさい。
解答・解説
〔解答例〕
@マナーを意識して人と接すれば,相手を尊重した接し方になるから,相手に好感を持たれ良好な関係を保てる。
Aビジネスで年齢や地位の違う人と接するときでも,マナーがしっかりしていれば,その差を埋めて対等に接することができる。
B社員のマナーのよさは,その個人に対して好感を持たれるだけでなく,会社全体のイメージアップにもなる。
〔解 説〕
新人研修でのマナーの必要性について話すということだから,マナーが人間関係の根本であること,社員としての適切な行動に不可欠ということに触れたことが答えになる。解答例とは逆に,「マナーが悪いと…」という表現でもよい。
電話実務
電話で話す時の姿勢や態度
13.岸裕美は新人の坂本に,電話で話すときは相手から見られないからといって「姿勢や態度」をおろそかにしてはいけないと教えた。
(1)おろそかにしてはいけないのはなぜか,理由を簡潔に答えなさい。また,(2)「姿勢や態度」をおろそかにするとは具体的にどのようにすることか。箇条書きで三つ答えなさい。
解答・解説
13.〔解答例〕
(1)おろそかにした姿勢や態度は,声や話し方の調子に表れ相手に伝わってしまうものだから。
(2)@ 足を組んで話す。
A 机に肘を突いて話す。
B 椅子の背にもたれ掛かって話す。
〔解 説〕
解答例の他に(2)は,「電話の内容と関係ない仕事(他のこと)をしながら話す」などもよい。
技能
転任のあいさつ状の書き方
次は,転任のあいさつ状の一部である。この中の下線部分を丁寧な言い方にし,形式の整った文章にしなさい。
さて,(1)私に関することだが,このたび11月1日(2)で本社営業本部長を命じられ,過日着任いたしました。
名古屋営業所在勤中は,(3)仕事面でも私事の上でもひとかたならぬご厚情を賜り,厚く御礼申し上げます。
昨今の経済情勢は,誠に厳しいものがございますが,(4)わずかな力だが,新任務に(5)励みやっていくつもりでございます。今後ともご指導ご支援のほど,よろしくお願い申し上げます。
まずは,(6)略式ですが書中をもってごあいさつ申し上げます。
解答・解説
〔解答例〕
(1)私儀・私こと
(2)をもって
(3)公私にわたり(ともに)
(4)微力ながら(ではございますが)
(5)精励いたす所存
(6)略儀ながら